2010 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫系における核内IκBタンパク質の役割の解明
Project/Area Number |
21790467
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 雅裕 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00444521)
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Keywords | 核内タンパク質 / 自然免疫 / 自己免疫疾患 / T細胞分化 |
Research Abstract |
核内IkBタンパク質の一つであるIkBz欠損マウスを用いて、Th17細胞の分化誘導実験を行ったところin vitro培養下においてTh17細胞分化が顕著に障害を受けていた。次に、実験的アレルギー性脳脊椎炎(EAE)誘導実験を実施したところ、IkBz欠損マウスでは脊椎ミエリン鞘の脱髄が起きず、さらに炎症性リンパ球の浸潤もほとんど認められなかった。また、IkBz欠損マウスに野生型マウス由来のT細胞を移入したマウスと野生型マウスにIkBz欠損T細胞を移入したマウスを用いて、EAE誘導実験を試みたところ、前者のマウスではEAEが惹起できたのに対し後者のマウスでは全くEAEが起きなかったことからIkBz欠損マウスにおいてはT細胞の機能異常によりEAEが惹起できていないことが示唆された。EAEの惹起に関与するT細胞はTh17であることが報告されている。その分子的メカニズムとして、ナイーブT細胞にIkBzを強制発現させTh17誘導条件で培養するとコントロール群に比べIL-17産生が亢進し、さらにIL-17産生に必須の転写因子であるRORγtとIkBzを共発現させるとIL-17の産生が増強されたことからRORγtと協調してIkBzはIL-17の転写に関与していることが示唆されたものの、両者の直接的結合は認められなかった。以上のことから、IkBzはナイーブT細胞のTh17細胞分化に深く関与し、EAEの発症に重要な役割を果たしていることが証明された。
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[Journal Article] Trib1 is a lipid- and myocardial infarction-associated gene that regulates hepatic lipogenesis and VLDL production in mice.2010
Author(s)
Burkhardt R, Toh SA, Lagor WR, Birkeland A, Levin M, Li X, Robblee M, Fedorov VD, Yamamoto M, Satoh T, Akira S, Kathiresan S, Breslow JL, Rader DJ.
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Journal Title
J Clin Invest.
Volume: 120
Pages: 4410-4
Peer Reviewed
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