2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790470
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊谷 雄太郎 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教 (00528408)
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Keywords | I型IFN / Listeria monocytogenes / ウイルス感染 / Streptococcus pneumoniae / Ly6Chi monocyte |
Research Abstract |
今年度は作製したIfnb1gfpマウスを種々のシグナル伝達分子欠損マウスと交配し、シグナル伝達経路が細菌感染時の生体内でのIFN-b産生にどう関係しているかを調べ、かつIFN-b産生細胞の特徴付けを行った。 Listeria感染時のIFN-b産生はTLR,RLR非依存に起こり、かつI型IFN受容体を経る正のフィードバックも必要ないことが明らかとなった。一方、転写因子IRF3,IRF7は両者ともIFN-b産生に必須であることが示唆された。IRF7はin vitroでのIFN-b産生には必須ではなく、生体内で特異的に起こる現象であった。さらに、CCR2による細胞遊走がIFN-b産生に不必要であることも判明した。これらの結果は14th International Congress on Immunologyにて口頭発表し、さらに現在メカニズムについて精査している。 一方、IFN-b産生細胞がLy6Chi monocyteであることから、いわゆるTip-DC(TNF and iNOS-producing dendritic cell)との関係を調べた。TNFとの共染色を行うことで、TNF産生細胞とIFN-b産生細胞は別のものであることが示唆された。TNF産生細胞とIFN-b産生細胞(GFP陽性細胞)をそれぞれFACSによって回収し、その遺伝子発現パターンをDNAマイクロアレイによって調べたところ、それぞれに特徴的な発現をもつ遺伝子を得た。現在、これらの遺伝子がTNFやIFN-bの産生にどのように関与しているかを調べるとともに、TNF産生細胞、IFN産生細胞を表面抗原に基づいて分離する方法も検討している。本研究は、期間終了後も継続、発展させる予定である。
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