2009 Fiscal Year Annual Research Report
成熟Bリンパ球の分化決定における古典的および非古典的NF-kB経路の機能解析
Project/Area Number |
21790483
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐々木 義輝 The Institute of Physical and Chemical Research, 幹細胞研究グループ, 研究員 (80323004)
|
Keywords | Bリンパ球 / NF-_κB / サイトカイン / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
NF-_κBファミリーの転写因子はp50NF-κB1、p52NF-κB2、RelA、c-RelそしてRelBの5種類の分子で構成され、古典的経路および非古典的経路によって活性化される。古典的経路においては主にp50/RelA、p50/c-Relからなるヘテロダイマーが、非古典的経路ではp52/RelBからなるヘテロダイマーが活性化される。Bリンパ球の発生とその生存維持には両方の経路が必須であることが遺伝子改変マウスを用いて証明されている。しかしこの二つの経路それぞれに特異的な役割に関しては不明な点が多い。そこで非古典的経路特異的な機能を同定するために、Bリンパ球特異的にp52NF-κB2を発現するトランスジェニックマウスの作製および解析を行うことで非古典的経路特異的な機能の同定を試みた。p52NF-κB2をコードするcDNAを二つのloxP配列で挟んだSTOPカセットと強力な転写活性を持つCAGプロモーター共にDNMT1領域にノックインすることで組織特異的なp52NF-κB2トランスジェニックマウスを作製した。このマウスをBリンパ球にCreリコンビナーゼを発現するCD19creマウスと交配することでp52NF-κB2をBリンパ球特異的に発現するマウスを得た。このマウスには辺縁系Bリンパ球(MZB細胞)の割合の上昇が認められた。現在、このマウス由来のBリンパ球と野生型Bリンパ球の遺伝子発現をDNAマイクロアレイにて比較することでp52NF-κB2によって発現がコントロールされている遺伝子群の同定を試みている。また、Bリンパ球の生存に必須で非古典的経路を活性化することが知られているサイトカインBAFFの受容体BAFF-Rの欠損マウスと交配したところ、末梢リンパ組織において成熟Bリンパ球の回復が認められたことから、BAFF-Rの下流ではp52NF-κB2の活性化が重要であることが証明された。
|
Research Products
(1 results)