2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790486
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
多根 彰子 (橋本 彰子) The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫シグナル研究グループ, 研究員 (10415226)
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Keywords | 免疫シナプス / T細胞抗原受容体 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
獲得免疫に必要なヘルパーT細胞が活性化する時、抗原提示細胞(APC)との接触面中央にはT細胞抗原受容体が集積したcSMAC(central supramolecular activation cluster)、その周りには接着分子が円状に配置した免疫シナプスという構造が形成される。これまでにT細胞抗原受容体や他シグナル分子の動態などが調べられてきたが、使用された細胞がTCRを過剰発現していた点や、抗原ペプチドの親和性や濃度が高かった点が必ずしも生理的とは言えない条件であった。また、ほとんどの解析がin vitroで行われており、生体内での免疫シナプスが生体免疫反応におよぼす影響に関しては調べられていない。 本研究では、(1)in vivoで生成されたcSMACやT細胞抗原受容体ミクロクラスターの観察を行い、生体内免疫反応との相関をみる。更に(2)人工脂質膜を用いたcSMACやT細胞抗原受容体ミクロクラスターの働態の定量的な解析から、TCR動態と細胞機能の相関を明らかにすることを目標にしている。 (1) 本年度はin vitroでT細胞が刺激強度、時間依存的にAPCとの接着やcSMACの形成頻度を変えることを、最新の技術である画像フローサイトメトリーを用いて解析した。最終的にはin vivoで形成された免疫シナプスを本システムで網羅的かつ定量的に解析したいので、実験方法の確立という意味が含まれている。(1)(2)親和性の低い抗原の他に、同じ抗原に対して異なる親和性を持つT細胞抗原受容体を比較するため、抗原受容体の遺伝子改変マウス3種類を入手し、内在性T細胞抗原受容体を可視化したzGFP Klマウスと掛け合わせている。来年度から本格的に実験ができるようになる。
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Research Products
(3 results)