2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域保健医療福祉計画の策定・評価における地理情報システムの応用に関する研究
Project/Area Number |
21790491
|
Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
大場 久照 北海道情報大学, 経営情報学部, 准教授 (50419222)
|
Keywords | 医療・福祉 / 地理情報システム(GIS) / 医療計画 / 地域連携 / 地域偏在 / 電子カルテシステム / 遠隔医療 / IT政策 |
Research Abstract |
1.北海道における医師の偏在と地域格差の検証 脳卒中と急性心筋梗塞の2疾病を対象として、それに関わる診療科医師の偏在と地域格差について検証した。対象診療科は、循環器内科と脳神経外科とした。診療科別医師数は厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査を用い、新医師臨床研修制度前後の変化をみるため分析対象年は2000~2008年とした。分析地域単位は二次医療圏とし、40歳以上人口10万人対診療科医師数で二次医療圏間の比較評価を行った。また、スピアマンの順位相関分析を用いて2008年における2診療科の40歳以上人口10万人対医師数と2疾病の40歳以上人口10万人対死亡数(北海道・各総合振興局平成21年版保健情報年報)との関係性を分析した。その結果、脳神経外科医数では、2004年~2008年平均は2000・2002年平均に比べ道北や道東の医療圏で減少しており二次医療圏間の格差が拡大傾向であった。脳神経外科医数と脳卒中死亡率の間には有意な相関はなかったが、医師数が多い医療圏ほど死亡率が低い傾向が見られた。一方、循環器内科医数では、2004年~2008年平均は2000・2002年平均に比べ道北、道東、道南の医療圏で増加しており二次医療圏間の格差が縮小傾向であった。循環器内科医数と急性心筋梗塞死亡率の間には有意な相関はなかったが、医師数が多い医療圏ほど死亡率が低い傾向が見られた。 2.北海道における介護支援資源の分布と総合的評価 北海道における介護資源および要介護・要支援者の分布を市町村単位で分析し、GISを用いて介護資源とのマッチ度を検証した。介護関連施設数および要介護・要支援数データには厚生労働省の平成21年介護サービス施設・事業所調査、北海道高齢者福祉計画2012を用いた。その結果、要介護者密度および要支援者密度は、ともに札幌市が109.9人/km^2、44.8人/km^2と最も高く、続いて歌志内市、函館市、小樽市、室蘭市で高かった。一方、札幌市では介護療養型医療施設数で0.054施設/100人、介護老人福祉施設で0.093施設/100人、介護老人保健施設で0.085施設/100人と道内でも数少なく介護ニーズにマッチしていなかった。1.の結果を踏まえ現状では医療との連携に問題があると推察された。
|
Research Products
(7 results)