Research Abstract |
平成21年度は、国内外の情報収集と参加施設からのフィードバックに基づいて,手術死亡に加え合併症も含めた新しい重症度補正モデルを作成した.またモデルに基づいたweb-basedの解析プログラムを作成した. 日本心臓血管外科学会及び日本胸部外科学会,米国胸部外科学会のデータベース関連会議に参加し,日本心臓血管外科手術データベースの項目検討委員会の意見や,参加施設のフィードバックを参考にして,新しい重症度補正モデルに必要とされる点を検証した.項目の定義の適切さ,項目の結合・分割の妥当性,臨床現場に有用な枠組みについて情報を得た. 在院死亡だけでなく,術後の合併症発生(再手術,術後の新たな透析,術後脳障害,術後感染,術後麻痺,術後の24時間以上の挿管,8日以上のICU滞在)を含めた新しいモデルを作成した.モデルの構築には直近の3年にデータベースに登録された約35,000症例を用い,作成したモデルは学術論文として投稿中である. 重症度補正治療成績分析を応用し,(1)各施設が一定期間の重症度補正治療成績を全国の施設に対比して参照することができるような施設レポート機能,(2)個々の登録症例の重症度(死亡や合併症の発生確率)を表示しカンファレンスやインフォームド・コンセントに利用することが可能な手術レポート機能を実装した.
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