2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790497
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
菅野 亜紀 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (20457039)
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Keywords | 点字 / 自動点訳 / 医療文書 / 病院 / 辞書 / 自然言語処理 |
Research Abstract |
我々が研究開発中のeBrailleの点訳精度は、新聞記事の場合と病名や薬剤名などを含む医療関連の文書の場合を比較した時に差が生じる。具体的には、医療関連文書の点訳精度は低くなってしまう。 そこで、医療文書の点、訳精度の向上を目的に、eBrailleが使用する辞書の調査、およびeRrailleに組み込み可能な新辞書の研究開発を行う。これらはいずれも研究に、自然言語処理技術を応用して実施する。 そこで、(1)自動点字翻訳プログラムの点訳精度評価用コーパス(医療文書評価用コーパス)の作成、(2)自動点訳プログラムが使用する辞書へ用語を追加した場合の点訳精度の解析、を実施した。まず、本学医学部附属病院の患者向けの医療文書を収集し、これらに加えて看護領域を中心とした医療用語辞書や東洋医学の研究者が作成した辞書を提供してもらい、専門的な医学用語を抽出し、辞書に追加した。次に、漢字仮名混じり文と点字文の対から成る医療文書評価用コーパスを作成した。その上で、汎用の辞書、医療用語のみを追加した辞書、東洋医学用語のみを追加した辞書、全ての用語を追加した辞書の4種類について、医療文書評価用コーパスを用いて点訳精度を解析した。その結果、辞書の規模に係らず医療用語のみを追加した辞書を用いた場合に、点訳精度が最も高かった。このことから、点訳対象の文書に適した語彙構成の辞書が点訳精度を向上させるととが示された。 本研究で研究中のeBrailleは、兵庫県より平成21年度の「グッドデザインひょうご」選定を受け、「ユニバーサルデザイン賞」を受賞した。
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Research Products
(10 results)