2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790497
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
菅野 亜紀 神戸大学, 医学部附属病院, 学術推進研究員 (20457039)
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Keywords | 点字 / 自動点訳 / 医療文書 / 病院 / 辞書 / 自然言語処理 |
Research Abstract |
我々が研究開発中の自動点字翻訳プログラムeBrailleの点訳精度は、新聞記事の点訳精度に比して病名や薬剤名などを含む医療関連の文書での点訳精度が低下することが明らかになっている。そこで医療文書の点訳精度の向上を実現して問題点を解決することを目的に、eBrailleが使用する辞書の調査、およびeBrailleに組み込み可能な新辞書の研究開発を行った。本研究の特色は、研究に自然言語処理技術を利用していることである。 今年度は、(1)医療文書評価用コーパスの作成、(2)eBrailleの点訳誤りの解析、(3)辞書追加用の医療用語の調査を実施した。まず、医療文書評価用コーパスは、本学医学部附属病院の看護部の協力で提供された、病状や手術に関する説明書、入院診療計画書、退院療養計画書を用いて作成した。今年度は新たに2282文を作成し、累計5462文の医療文書評価用コーパスを完成させた。次に、医療文書評価用コーパスを用いてeBrailleの点訳誤りを解析した結果、辞書収録語の中に複合名詞が一語として登録されている単語が含まれていることが分かち書き誤りの原因の一つであることが判明した。今後、その訂正が必要なことが明らかになった。最後に、専門的な医療用語を追加すべく、本学附属病院の美容外科分野の協力で合計1205文の論文や総説を解析した。eBrailleが使用する辞書の収録語と照合した結果、未知語(辞書に未登録の語)が53語抽出され、辞書に追加した。
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