2009 Fiscal Year Annual Research Report
診療放射線領域のリスクマネジメント-診療放射線技師のヒューマンエラー研究-
Project/Area Number |
21790503
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
五十嵐 博 Gunma Prefectural College of Health Sciences, 診療放射線学部, 助教 (60433166)
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Keywords | リスクマネジメント / ヒューマンエラー / 診療放射線技師 |
Research Abstract |
群馬県内の診療放射線技師553名を対象にヒューマンエラーの経験に関する質問紙調査を実施し,115名から回答を得た。一般撮影および回診撮影についてエラー内容等について分析を行ったところ、両検査ともに「患者を間違って撮影したこと」が最も多かった。CT検査でも「患者を間違って撮影した」ことが、MRI検査では「磁性体を装着した患者を検査したこと」というエラーが最も多く発生していることがわかった。また、簡易的かつ実行可能なエラー防止対策をSPNにて評価したところ、一般撮影、回診撮影およびCT検査では「患者自身に氏名等を名乗ってもらう」ことや「指差呼称を実施」することが有効な防止策であるとわかった。また、MRI検査では「磁性体チェッカーの確実な実施」が最も有効的であるとわかった。 質問紙調査にて得られた結果のうち、記述部分についても分析を行った。分析には形態素解析ソフトを用いて形態素の抽出・クラスター分析を実施した。その結果、一般撮影で発生したエラーの状況の形態素は出現頻度順に「撮影」、「患者」、発生原因については「確認」、「患者」であった。回診撮影での発生状況に関する形態素は「撮影」、「患者」、発生原因は「確認」、「不足」であり、CT検査での発生状況に関する形態素は「撮影」、「検査」、発生原因は「確認」、「患者」であった。また、MRI検査での発生状況に関する形態素は「検査」、「患者」、発生原因は「確認」、「患者」であった。これらの形態素等から、エラーの状況や原因について質的に分析することができた。 22年度は、前年度に病院で収集したインシデント・アクシデントレポートの分析および東京都内の病院にて実施した質問紙調査について分析を行い、診療放射線技師のヒューマンエラーの内容等についてより詳細に明らかにするとともに、エラー防止対策の立案・評価を行っていく予定である。
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Research Products
(7 results)