2010 Fiscal Year Annual Research Report
eラーニングを用いるうつ病患者を対象としたセルフマネージメント教育の開発
Project/Area Number |
21790504
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
北川 明 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20382377)
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Keywords | 医療・福祉 / うつ / eラーニング / 健康教育 |
Research Abstract |
本研究は、顕在的・潜在的うつ病患者に対するセルフマネージメント教育にeラーニングを活用するための基礎的研究である。うつ病には症状として、活動意欲の減退があるため、自己学習であるeラーニングでの教育は難しい。そこで、継続できるeラーニング学習の在り方・支援方法を検討することを目的とし、eラーニングを継続して利用するために必要なことを調査するためにアンケートを実施した。 アンケートは、すでに何らかのeラーニングを利用したことがあるA大学学部1年生95人を対象とし、eラーニングシステム上で実施した。回収率は95人中83人の87.3%であった。 eラーニングを継続して利用するためには、学習者同士のコミュニケーションが必要であると、72.3%(60人)が回答していた。また、eラーニングを継続して利用するためには、教師と学習者のコミュニケーションが必要であると81.3%(67人)が回答していた。 eラーニング学習は「いつでもどこでも学習者が自分のペースで学習できる」という利点もあるが、一人でコンピューターに向かっているため、学習者が孤立する可能性が高い。うつ病には意欲低下が症状としてあるため、この学習意欲の維持が特に難しくなる。誰かに評価され、支え合い、喜びなどを共有し合うことは、うつ病患者においても重要なことであるが、引きこもり傾向の強いうつ病患者には、そのようなコミュニケーションが不足する可能性が高い。eラーニング学習にコミュニケーションを取り入れ、アクセスすれば常に支え合えてくれる誰かが存在するという環境を構築することが、うつ病患者を対象としたeラーニング学習においては最重要のものであると考える。 本研究結果を踏まえ、うつ病患者が利用しやすいeラーニングサイトを平成23年度中に開設する予定である。
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Research Products
(1 results)