2009 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドーシスにおける前駆蛋白質の代謝動態解明と新たな検査法の開発
Project/Area Number |
21790541
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
植田 光晴 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 助教 (60452885)
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Keywords | アミロイドーシス / トランスサイレチン / 血清アミロイドA / SELDI-TOF MS |
Research Abstract |
【1.AAアミロイドーシスに関する研究】 血漿中に遊離したamyloid-enhancing factor (AEF)が存在し、アミロイド形成過程に重要な役割を果たしている可能性を我々は見出してきたが、その存在形式は不明であった。本研究では、細胞外分泌膜小胞であるエクソゾームに注目し、血漿中のエクソゾームがAEFを運搬する得割を担っているか検証した。マウスにAAアミロイドーシスを惹起し血漿を採取、超遠心法でエグソゾーム分画を得た。電子顕微鏡とウエスタンブロット法で、エクソゾームが分離できたことを確認後にマウスに投与したところ、AEF効果を示すことが判明した。本結果より、血漿中AEFの運搬をエクソゾームが担っている可能性が考えられた。 【2. TTRアミロイドーシスに関する研究】 飼育環境下にあるアフリカミドリザル(Cercopithecus aethiops)に重度の全身性TTRアミロイドーシスが生じることが報告され(Nakamura et al., Vet Pathol, 2008)、報告施設等の協力のもと本動物種の病態解析を行った。本サル種のTTRアミノ酸配列は、他のサル種とは一部異なることが判明した。他のサル種ではTTRアミロイドーシスの発症が報告されていないため、異なる一部のTTR配列がアミロイド形成に重要な役割を果たしている可能性がある。本動物種を用いて、ヒトのTTRアミロイドーシス形成、機構の解明や、疾患モデル動物としての可能性を今後検証する予定である。
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