2009 Fiscal Year Annual Research Report
キラーレクチン受容体の糖鎖リガンドの解析と細胞機能制御
Project/Area Number |
21790544
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桧貝 孝慈 Toho University, 薬学部, 講師 (70297711)
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Keywords | heparin / CD94 / NKG2D / Lectin / Polysaccharides / NK細胞 |
Research Abstract |
sLeXの生体内免疫応答への関与を、NK細胞上のKLRsに着目して、KLRsと糖鎖の結合を解析した。KLRsであるCD94およびNKG2Dのレクチンドメインを、NK細胞株由来KHYG細胞のcDNAから、PCRでクローニングし、pGEX4-T1ベクターに組み込み、ampicillinによるセレクションから、pGEX/KLRsベクターを得た。このベクター用いて、IPTG誘導後、rCD94およびrNKG2Dを大腸菌にて発現させ、グルタチオンカラムにて、目的のKLRs-GST融合タンパク質を得た。そして、BSA結合Heparin結合プレートに対して、CD94およびNKG2Dをプローブとして添加後、結合したrKLRs-GSTをanti-GST-PODにて解析した。その結果、濃度依存的なCD94およびNKG2Dが認められた。また、その結合に対するグルコサミノグリカン(GAG: Heparin, Heparan sulfate, Dermatan sulfate,Keratan sulfate, Chondroitin sulfate, hyalronic acid)および多糖類(Fucoidan, carrgenan, mannan)を競合させた結果、硫酸化GAGであるHeparin, Heparan sulfateおよび硫酸化多糖類であるFucoidan, carrgenanで結合の低下が認められた。また、これらの結合は、rNKG2D(Y152A、Y199A)、rCD94(F114A,N160A,C166G)のミューテーションにより、低下したことから、糖鎖認識に重要なアミノ酸残基の一部を明らかにすることが出来た(Higai et al.,BBRC,2009)。なお、NKG2AおよびNKG2CについてもHeparin, Heparan sulfateに対する結合を認めている(submitted)。 本研究により、CD94およびNKG2Dの多糖類やグルコサミノグリカン上の糖鎖リガンドを同定することに成功した。これらの結果は、多糖類やグルコサミノグリカンによるCD94やNKG2Dを介したNK細胞の制御機構を明らかにした結果であり、自然免疫における糖鎖の重要性を示唆するものである。 現在、H22年度に行う予定である速度論的解析を行うために、QCM方法の確立を行っている。
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Research Products
(3 results)