2010 Fiscal Year Annual Research Report
キラーレクチン受容体の糖鎖リガンドの解析と細胞機能制御
Project/Area Number |
21790544
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桧貝 孝慈 東邦大学, 薬学部, 講師 (70297711)
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Keywords | sialyl lewis X / heparin / NKG2D / NCR / NK細胞 / 糖鎖リガンド |
Research Abstract |
sLeXや異常糖鎖の生体内免疫応答への関与を、NK細胞上のKLRおよびNCRに着目して、KLRsと糖鎖の結合を速度論的に解析した。KLRsであるCD94,NKG2A,C,DおよびNCR1,2,3のレクチンドメインを、NK細胞株由来KHYG細胞のcDNAから、PCRでクローニングし、リコンビナントタンパク質を大腸菌にて発現させ、GST-KLRsおよび6xHis-NCRs融合タンパク質を得た。そして、組換えタンパク質とその変異体を作成し、EIAや水晶発振子マイクロバランス(QCM)によるこれらの分子の糖鎖結合特性や結合親和性の解析を行った。その結果、NCR3を除くいずれの受容体もsLeXを多価で発現している糖タンパク質に対して結合が認められた(Biol.Pharm.Bull.34(1)8-12, Biol.Pharm.Bull., 34(4) 480-485, Biochem, Biophys.Res.Commun., 406 (3)377-82, The Open Biotechnology Journal, in press)。また、負電荷を持つヘパリンやヘパラン硫酸などのグルコサミノグリカン、Fucoidanなどの硫酸化多糖類に対しても強い結合を見出すとともにタンパク質リガンドの結合部位と競合することを明らかにした。 本研究により、KLRsやNCRsの糖鎖リガンドを同定することに成功した。また、変異体による解析により糖鎖リガンド結合部位を同定することができた。これらのことから、生体内では、NK細胞上のKLRsやNCRsがこれらの異常な糖鎖を認識し、がん細胞の増殖を抑制することが考えられる。
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Research Products
(17 results)