2011 Fiscal Year Annual Research Report
オートスキャン式蛍光顕微鏡を用いた大腸がん自動細胞診実用化研究
Project/Area Number |
21790547
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Research Institution | 独立行政法人国立がん研究センター |
Principal Investigator |
古賀 宣勝 独立行政法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, 室長 (70536086)
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Keywords | 大腸がん / 自動細胞診 / がん検診 / 早期診断 / イムノビーズ |
Research Abstract |
本研究では細胞1個レベルでの診断法として、大腸がん特異抗体による蛍光免疫染色と核の性状や細胞質の蛍光強度などのデータを自動取得・解析するイメージングサイトメーターやフローサイトメーターを併用することによる、細胞解析法の可能性を検討している。対象となる剥離大腸がん細胞を便から分離するためにはEpCAM抗体付加イムノビーズが必須であり、市販されているイムノビーズでは自家蛍光が強く、蛍光免疫染色を用いた細胞解析法には不向きであった。一方で、我々が開発した粒子径が3.0μmでEpCAM抗体を直接結合したビーズは自家蛍光もなく有用であることが分かった。また、すでに作製している抗ヒトEpCAMマウスモノクローナル抗体を結合したイムノビーズは、がん特異抗体(マウス抗体)での診断に悪影響を及ぼすために、細胞解析法には不向きであることも分かった。平成22年度までに細胞回収用ビーズに適したEpCAM抗体(ラット抗体)の作製を行い、EpCAM抗原を用いたELISA、EpCAM陽性細胞と陰性細胞を用いたFlowcytometry(FCM)および免疫染色を行い、ELISAで陽性、FCMおよび免疫染色ではEpCAM陽性細胞のみ陽性となり陰性細胞では陰性となる優れた抗ヒトEpCAMラットモノクローナル抗体を樹立した。平成23年度は樹立した抗ヒトEpCAMラット抗体を3.0μmの磁性ビーズに直接結合させ、培養細胞を用いた細胞の回収率および細胞解析法に悪影響を与えないかどうかの検討を行った。細胞の回収効率は以前我々が作製した抗ヒトEpCAMマウス抗体付加イムノビーズと比較してほぼ同等の性能を有していた。また、免疫染色を用いた細胞解析法ではビーズの自家蛍光が問題になることはなかった。今回の研究では臨床検体まで検討を行うことができなかったが、自然排泄便から剥離がん細胞を効率よく回収し、大腸がん特異抗体による免疫染色を基本とした細胞解析法への有用性が示された。
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Research Products
(8 results)