2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミン様キノン化合物ピロロキノリンキノンのトキシコゲノミクス解析
Project/Area Number |
21790550
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
橘 信二郎 琉球大学, 農学部, 准教授 (70447655)
|
Keywords | ピロロキノリンキノン / ビタミン / 骨粗鬆症 / 骨芽細胞 / トキシコゲノミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体キノン化合物として骨粗鬆症予防効果が期待されているビタミンKやコエンザイムQ10と類似の化学構造を有し、ビタミン様の生理活性が報告されている水溶性キノン化合物であるピロロキノリンキノン(PQQ)の生体内標的組織の同定と雌雄による生体内動態メカニズムの相違を明らかにし、PQQによる骨粗鬆症予防効果の可能性を探ることである。 平成22年度は平成21年度後期に引き続き所属変更後の所属機関にて動物細胞の培養と観察および遺伝子発現解析が行えるように実験装置などの環境整備を行った。これにより、当該施設にて細胞培養と遺伝子発現解析の実施が可能となった。そこで、マウス骨芽細胞前駆細胞株MC3T3-E1を用いてPQQ添加の影響について細胞の生存能を調べた結果、ビタミンK2およびコエンザイムQ10では有意な低下認められなかったが、30μMPQQ添加により生存能の有意な低下が確認された。PQQは水溶性低分子有機化合物であり、膜透過性はビタミンKやコエンザイムQ10に比べて低いことが想定されるにもかかわらず、PQQ添加によって骨芽細胞が生存能の低下を示した。細胞膜を透過した微量のPQQが細胞に何らかの影響を与えたことが示唆される。このことから、PQQは生体キノン化合物で骨粗鬆症予防効果が報告されているビタミンKやコエンザイムQ10とは異なるメカニズムで細胞に影響を及ぼすことが考えられた。今後は、骨芽細胞の分化誘導時や分化後の石灰化に対するPQQの影響についても調査し、骨代謝への影響について遺伝子発現解析を行う。
|
Research Products
(1 results)