2009 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物由来食品成分を用いた新規癌分子標的併用予防法の開発
Project/Area Number |
21790556
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
与五沢 真吾 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (70381936)
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Keywords | 癌予防 / 食品成分 / インドール-3-カルビノール / アブラナ科植物 / 細胞増殖抑制 / 細胞周期停止 / アポトーシス / オートファジー |
Research Abstract |
種々の疫学的研究から、食品成分による癌予防が実現可能な方法として期待されているが、単一成分の大量投与によるリスクを避ける意味でも、特に複数成分の併用効果の高い組み合わせを見出す必要がある。本研究では、既に高い癌予防効果が認められており、細胞内で多様な経路に働くといわれているアブラナ科植物の成分、インドール-3-カルビノール(I3C)を軸に据え、これと併用すると相乗効果が期待できる食品成分を探索し、併用効果の生じる分子機構を解明し、科学的根拠のある、食品成分同士による癌の「分子標的併用予防法」確立を目指すものである。本年度はヒト大腸癌由来HT-29細胞を用い、大豆由来成分ゲニステインとI3Cを、それぞれ単独では細胞死を誘導しない濃度どうしで併用すると、細胞死(アポトーシス)が相乗的に誘導されることを見出しそのメカニズムを解析した。多くの癌細胞で活性化されている細胞増殖シグナル伝達系のひとつであるAkt経路の不活性化が関与している他、全ての脊椎動物に備わっている自己食メカニズムであるオートファジーの誘導と進行阻害も関わっていることを明らかにした。また蜂蜜やプロポリス等に多く含まれるフラボノールの一種、ガランギンと併用した場合にアポトーシスが増強されることも見出した。その分子メカニズムについては現在解析中であるが、併用時に細胞内に活性酸素種(Reactive oxygen species : ROS)が蓄積され、ROSスカベンジャーによってROSを減少させるとアポトーシスの割合も減少したことから、I3Cとガランギンを併用することにより細胞内ROSが蓄積し、それがトリガーとなってアポトーシスが誘導されている可能性が示唆される。
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Research Products
(7 results)