2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790559
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
飯泉 恭一 昭和大学, 医学部, 助教 (30439351)
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Keywords | 衛生学 / 乳がん / 飲酒 / 肥満 / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、長期的なエタノール摂取が脂肪組織におけるRae-1 (retinoic acid early inducible cDNA clone-1)遺伝子の発現を誘導することを明らかにした。さらに培養脂肪細胞を用いた実験より、一過性のエタノール投与によってもRae-1遺伝子の発現が誘導される可能性が考えられた。そこで本年度は動物個体を用いて、一過性のエタノール経口投与がRae-1遺伝子の発現を誘導しえるかの確認を行った。実験にはマウスを使用し、30%エタノールを5g/kgとなるように経口投与した。投与3時間後から24時間後まで5つの時点を設定し、対象群を含め6群を用意した。1群は6匹とした。投与後各時点で安楽死を実施し、マウスより内臓脂肪を採取した。定法に従ってRNAの精製およびcDNAの合成を行い、Rae-1遺伝子の発現量をリアルタイムPCR法で測定した。その結果、エタノール投与後24時間以内ではRae-1遺伝子発現量に有意な差は見られなかった。このことは、単回のエタノール投与ではRae-1遺伝子の発現を十分に誘導できないことを示している。先行研究より、マウスへの5g/kgのエタノール経口投与は血中濃度を約50mMに上昇させることが報告されている。しかしRae-1遺伝子の発現誘導には至らなかったことから、誘導にはさらに高容量の投与、または長期間の持続的なエタノール摂取が必要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)