2009 Fiscal Year Annual Research Report
アスベストのメカノケミカル処理ナノ粒子の中皮腫発がんに関する研究
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21790562
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高田 礼子 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 准教授 (30321897)
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Keywords | アスベスト / ナノ粒子 / メカノケミカル処理 / 中皮腫 / 発がん / 酸化的DNA損傷 |
Research Abstract |
メカノケミカル処理は、工業分野で新素材として応用可能なナノ粒子を生成できることから、石綿の無害化・再資源化処理への応用が注目されている。しかし、これまでにメカノケミカル処理生成物の生体影響に関する国際的な評価はなされていない。そこで、クリソタイルをメカノケミカル処理して生成されたナノ粒子について、吸入試験よりも簡便で感受性が高いとされるラット腹腔内投与による中皮腫発がん実験を実施した。クリソタイルのメカノケミカル処理ナノ粒子(一次粒子径約50nm)と短繊維クリソタイル(陽性対照)をラットに腹腔内一回投与後6ヶ月までの経過観察期間中に定期的に採血を行い、発がん過程において重要な酸化ストレスに関して、フリーラジカル自動分析装置(FRAS4)を用いて血清の酸化ストレス度(d-ROMs:derivative of reactive oxygen metabolites)および抗酸化力(BAP:Biological antioxidant potential)を測定した。さらに、中皮腫関連マーカーとして血清のN-ERC/mesothelinの測定を実施した。酸化ストレス度に関しては、クリソタイルメカノケミカル処理ナノ粒子群では腹腔内投与後早期に一過性に増加したが、クリソタイル群に比較して軽度であった。一方、抗酸化力に関しては、クリソタイルメカノケミカル処理ナノ粒子群ではクリソタイル群に比較して投与後早期に増加していた。以上のことから、クリソタイルメカノケミカル処理ナノ粒子の腹腔内投与後の酸化ストレス反応はクリソタイルに比べて軽減されていた。また、血清N-ERC/mesothelin濃度についても、クリソタイルメカノケミカル処理ナノ粒子群ではクリソタイル群と異なり投与後初期に一過性に増加したのみであり、本実験における中皮腫の発生リスクは低いことが示唆された。
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Research Products
(3 results)