2010 Fiscal Year Annual Research Report
内皮由来マイクロパーティクルと内皮傷害?血中バイオマーカーによる内皮機能評価法?
Project/Area Number |
21790563
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
姉川 敬裕 久留米大学, 医学部, 助教 (00511833)
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Keywords | 血管内皮機能 / 内皮由来マイクロパーティクル / フローサイトメトリー / Flow mediated vasodilatation / 予防医学 / 喫煙 |
Research Abstract |
高感度フローサイトメーターBD FACSCanto II(Becton Dickinson社)を用い、内皮由来マイクロパーティクル(EMP)および血小板由来マイクロパーティクル(PDMP)を同時に高特異度かつ高感度で定量しうる測定法の開発を試みた。 試料の採血法、遠心分離、保存から、分析の際に標識する抗体やカウントビーズの種類に関して複数の種類の組み合わせを試し、最適のものを見いだした。また、ポジティブコントロールとして、ヒト培養内皮細胞(HUVEC)の培養液中からEMPを採取し、フローサイト上、純粋なEMPがヒトからの採血で得られたEMPと同一分画に検出されることを確認した。得られたMPサンプルおよびHUVEC培養上清をそれぞれ倍数希釈することで、EMPを測定できる下限を確認した。 本法の開発により、従来法と比較して、より高感度かつ高特異度のEMP定量測定法を確立した。多くの健常成人において、EMP数はこの測定下限以下となり、末梢血EMP数はこれまで報告されているよりも少ない事がわかった。従来法で検知されていた"EMPシグナル"の多くはノイズであった可能性が示唆された。これまで、EMPおよびPDMPについては、急性冠症候群、脳卒中などの心血管病で増加宇することが報告されている。今後の詳細な検討が必要であるが、本法を用いて、再度検討する必要があると考える。 今後、本法を用いて、田主丸住民検診で採取したマイクロパーティクルの計測、解析を予定している。この結果、これまで明らかでなかった健常者におけるEMP・PDMPの標準値(正常範囲)が明らかとなり、種々の病態におけるEMP・PDMPの解釈が容易になると考える。
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Research Products
(8 results)