2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける国境流動人口の感染症伝播疫学研究-セックスワーカーとエイズ
Project/Area Number |
21790592
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
蔡 国喜 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, プロジェクト研究員 (20506381)
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Keywords | 流動人口 / 感染症 / ェイズ / 性病 / 社会疫学 / 医療保障 / メコン流域 / 国際保健 |
Research Abstract |
中国の経済発展にともない、東南アジア諸国との人的・物的交流が近年、急激に拡大している。なかでも陸続きのミャンマー、ラオス、ベトナムといったASEAN諸国には、資源開発やインフラ整備に関連して、商人や農産物仲買入、出稼ぎ労働者やセックスワーカーなど、さまざまな職種の中国人が大量に進出している。本研究グループはこうした視点を背景に、中国と東南アジア「黄金の三角地帯」に接する雲南省に焦点を合わせ、中国-ラオス国境地域及び中国-ミャンマー国境地域で、現地疾病管理センターの協力を得て、セックスワーカーを対象にした疫学調査を展開し、感染症流行と社会,文化ファクターの関係を究明することを課題にする。それはメコン流域の多国間感染症防御体制を構築するために不可欠な基礎資料となる。調査内容は:1、FHI BSS KABP質問票を用いてインタビュー調査により社会人口学属性、医療保障、流動歴、性病歴、感染症予防知識、性行動等;2、現地疾病管理センターによりエイズ、梅毒、淋病、クラミジア各項目の検査。2009年11月まで、129名street-basedと185名brothel-based、合わせて314人セックスワーカーを対象とした調査を完成した。結果として、対象の平均年齢は28.8歳(SD=8,3Y)。41.6%が客からの暴力を受けたことがあり、64.7%の者が性感染症の自覚症状があったに対し、半分位(47.7%)の対象は一回もカウンセリング、検査などのヘルスサービスを受けたことがなかった。検査の結果は対象のHIVとSTIの感染率は1.6%と29.3%であった、そのなかでも社会経済地位の相対に低いstreet-basedセックスワーカーの方は問題がもっと深刻であったことを明らかにした。結論としては、地方衛生当局が積極的にこのような盲区にいるグループを早速発見し、有効な流動性VCTなどの介入をすべきに提言できる。研究結果はメコン流域の多国間感染症防御体制を構築するために不可欠な基礎資料となる。
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Research Products
(4 results)