2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域高齢者における生活機能と認知機能の相互作用的関係に関する長期追跡調査
Project/Area Number |
21790594
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩佐 一 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 講師 (60435716)
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Keywords | 地域高齢者 / 生活機能 / 認知機能 / 相互作用的関係 / 縦断調査 |
Research Abstract |
【目的】人口の高齢化が進展するわが国では、生活機能を維持し健康寿命を延伸することを目指した介入施策の提案が、高齢者保健領域における喫緊の課題である。これまでに、地域高齢者の生活機能と認知機能の関連に関する縦断研究より、認知機能が生活機能低下の予測因子であることが明らかとなっているが、生活機能と認知機能間における因果関係のより詳細な検討が課題として残されている。そこで本研究では、応募者が平成13年度に実施した、地域高齢者を対象とした地域調査から8年後の追跡調査を行い、(1)地域高齢者における生活機能及び認知機能の長期的な経年変化の実態把握、(2)生活機能と認知機能の相互作用的関係の検討を行い、地域高齢者における生活機能及び認知機能の維持を目指す介入施策に寄与しうる基礎資料を提出することを目的とした。 【方法】平成13年度に実施したベースライン調査に参加した、東京都A区に在住する高齢者(約300名;平成13年時点で70~84歳)のうち、平成21年7月1日時点で同区に居住している者を対象とした。生活機能(日常生活動作能力、老研式活動能力指標)および認知機能(Mini-Mental State Examination、WAIS-R符号問題、語想起検査)、性別、年齢、教育年数、視覚・聴覚機能、生活習慣病罹患状況、保健習慣(喫煙、飲酒、食事、運動、趣味、社会活動、外出頻度)を聴取した。事前に十分な訓練を受けた調査員を高齢者宅へ派遣し、面接形式で調査を行った。 【研究の進捗状況】平成22年3月末時点で約8割の訪問を終了した。平成22年度は、引き続き訪問調査を行う。調査完了後には、参加者向けの報告書を作成し配布する予定である。また、European Psychiatric Association(オーストリア)、日本公衆衛生学会(東京)等の学術集会に参加、日本公衆衛生雑誌等の学術雑誌へ学術論文を投稿することにより、本研究の成果を公表する予定である。
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