2009 Fiscal Year Annual Research Report
葉酸の摂取及び血清濃度と抑うつに関する職域疫学研究
Project/Area Number |
21790598
|
Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
南里 明子 Research Institute, International Medical Center of Japan, 国際臨床研究センター・国際保健医療研究部, 流動研究員 (80523646)
|
Keywords | 保健栄養 / 葉酸 / 抑うつ |
Research Abstract |
本研究の主目的である葉酸の摂取及び血中濃度とその後の抑うつ症状との関連を検討するため、平成18年度の「食事及び血清脂質の脂肪酸組成と抑うつに関する職域疫学研究」において実施済みの調査をべースラインとした追跡調査を、当初は平成22年度に予定していたが本年度(平成21年度)7月及び11月に実施した。調査は健康診断にあわせて行い、食事調査及び抑うつ度の評価を含む健康調査、採血を行った。平成18年に同様の調査を行っているため円滑に調査を進めることができ、また健診会場にて回収した調査票を調査員が確認し記入漏れがある場合には、その場で本人に確認を行ったため、高い協力率(93.7%)で質の高いデータを得ることができた。血液検体より血中の葉酸濃度を測定しその値とともに、メンタルヘルス及び食事に関する調査の個人結果を、調査後2か月以内に協力者に通知した。 その他、べースライン調査の既存データ(「食事及び血清脂質の脂肪酸組成と抑うつに関する職域疫学研究」)を用いて、血中の葉酸及びホモシステイン濃度と抑うつ症状との断面的な関連を分析した。その結果、男性において、血中の葉酸濃度が低い群に比べ高い群では抑うつ症状のオッズ比が低く、血中のホモシステイン濃度が低い群に比べ高い群では抑うつ症状のオッズ比が高くなる傾向を認めた。本分析により、抑うつ症状に対する葉酸摂取の重要性が示唆されたが、断面研究であるため、べースラインデータとあわせて追跡調査から得られたデータにもとづき、縦断的な関連を明らかにする必要がある。
|