2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790601
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
吉光 真人 Osaka Prefectural Institute of Public Health, 衛生化学部, 研究員 (70321940)
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Keywords | 亜硫酸 / DNA / 食品 |
Research Abstract |
本研究では、亜硫酸処理がなされた食品中のDNA塩基配列情報を正確に解析する方法を確立し、これら食品に対するDNAの塩基配列情報に基づく検査を可能とすることで、国民の食の安全、安心に寄与することを目的とする。平成21年度は以下の3項目の検討を行った。1.パパイヤ果実に対して亜硫酸処理を検討した。得られた亜硫酸処理パパイヤからDNAを抽出、パパイヤ由来遺伝子の検知を検討した。その結果、パパイヤ果実とは挙動が異なるPCR増幅産物が得られた。現在、詳細を調査中である。2.パパイヤDNA塩基配列において、亜硫酸処理によりシトシンがすべてウラシルに変化したと仮定し、パパイヤ由来遺伝子検出用Primer対を新たに設計した。市販ドライパパイヤ及び亜硫酸処理パパイヤから抽出したDNAに対して上記Primer対を用いてPCRを行ったところ、増幅産物が確認されなかった。食品ではDNA塩基配列中のシトシンは亜硫酸処理ですべてがウラシルに変化するのではなく、一部はシトシンのままで残存している可能性が考えられた。3.リアルタイムPCR装置を用いたSYBR green蛍光試薬によるPCR反応、検出系の検討をおこなった。トウモロコシ加工食品、魚介類加工食品から抽出したDNA溶液について試薬、反応時間等の条件を検討した結果、従来法よりも高い感度を示した。平成22年度は続けて1.亜硫酸処理パパイヤの塩基配列の解析、2.再亜硫酸処理による検出困難な亜硫酸処理食品からの特定遺伝子の検出、3.SYBR green蛍光試薬による検出系の最適化を試みながら、亜硫酸表示食品の実態調査を行う予定である。
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