2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔アレルギー症候群におけるアレルゲン定量法の確立
Project/Area Number |
21790602
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
清田 恭平 Osaka Prefectural Institute of Public Health, 衛生化学部, 研究員 (10516743)
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Keywords | 口腔アレルギー症候群 / アレルゲン / 野菜果実 / 抗体 |
Research Abstract |
本研究は、患者数が近年増加傾向にある口腔アレルギー症候群のアレルゲンのひとつとされるプロフィリンを指標に、口腔アレルギー症候群のアレルゲン定量法の確立を目的とする。プロフィリンのアミノ酸配列はよく保存されており、特に野菜果実間においては70%以上の相同性があるため、プロフィリンは広範な交差反応性をもつ。そのため、プロフィリンの共通アミノ酸配列を指標とすれば、多種類の検体において同時に口腔アレルギー症候群のアレルゲンを測定することが可能であると考えられる。平成21年度は、野菜果実由来のプロフィリンの共通アミノ酸配列を特異的に認識するペプチド抗体(ウサギポリクローナル抗体)を作製し、この抗体の有用性をウェスタンブロッティングにより確認した。タンパク質抽出液は、ホモジナイザーを用いて野菜果実をそれぞれ均質化し、遠心分離処理後の上清をフィルターろ過して得た。メロン、キュウリ、トマト、バナナ、イチゴ、ズッキーニ、ブラックマッペモヤシなどの野菜果実7種類からプロフィリンを検出することが可能であった。また、プロフィリンを認識するマウスモノクローナル抗体を作製するため、マウスにリコンビナントプロフィリンを5回免疫し、ハイブリドーマ作製まで実施した。平成22年度では、モノクローナル抗体の作製を継続し、得られたマウス抗プロフィリン抗体を用いてサンドイッチELISAを構築するための条件検討を行い、プロフィリン定量法の開発を行う予定である。プロフィリン定量法を用いて含有実態調査を実施することで、消費者が適切な食品選択を行う際の指標となる情報の提供が可能となり、OASの発症予防対策に役立っと考えられる。
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