2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔アレルギー症候群におけるアレルゲン定量法の確立
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21790602
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
清田 恭平 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 研究員 (10516743)
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Keywords | 口腔アレルギー症候群 / アレルゲン / 野菜果実 / 抗体 |
Research Abstract |
本研究は、患者数が近年増加傾向にある口腔アレルギー症候群のアレルゲン(以下、OAS)の一つとされるプロフィリンを指標に、OASアレルゲン定量法の確立を目的とする。 平成22年度では、マウス抗プロフィリンモノクローナル抗体の作製を昨年度より継続した結果、ハイブリドーマが2クローン得られた。得られたモノクローナル抗体はオレンジ、トマト、メロン由来のプロフィリンに反応性を示し、特にサンプルの加熱処理により反応性が向上する傾向が見られた。そこで、モノクローナル抗体と昨年度に検討したペプチド抗体(ウサギポリクローナル抗体)を用いてサンドイッチELISAの構築のための条件検討を行った。しかしながら、十分な検出感度を得られず、食品中の特定原材料の一般的な基準値である10ppmを検出することが困難であった。そのため、免疫動物と免疫抗原を変更し、抗プロフィリン抗体の追加作製を行った。poly-L-prolineを用いたアフィニティー精製により、オレンジからプロフィリンCit s2を精製し、Cit s2を免疫抗原としてラット抗プロフィリンポリクローナル抗体を作製した。オレンジは特定原材料に準ずるものに指定され、かつOASの原因食材として重要であり、オレンジのアレルゲン定量法は確立されていない。 現在、ラットポリクローナル抗体とこれまでに作製した抗体を組み合わせ、10ppmのプロフィリンの検出が可能となるようサンドイッチELISAの高感度化を検討している。今後、OASアレルゲン定量法を構築し、食品中のOASアレルゲンの実態調査を実施する。その結果、消費者が適切な食品選択を行う際の指標となる情報の提供が可能となり、OASの発症予防対策に役立つと考えられる。
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