2009 Fiscal Year Annual Research Report
UPLC/MSを用いた自然毒の迅速・高感度一斉分析および新規毒物の検索
Project/Area Number |
21790606
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金子 理奈 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (70367697)
|
Keywords | UPLC / MS / MS / 迅速・高感度検出 / アコニチンアルカロイド / パリトキシン / 向精神薬 / 毛髪・爪 |
Research Abstract |
初年度はUPLC/MS/MSシステムを用いて、種々の毒物について、迅速・高感度検出及び定量法の開発を行った。我々は既にセミミクロLC/MSについては、体液中に含まれるアコニチンアルカロイド及びアマニチン類の分析法を確立しているが、感度や分析に要する時間は必ずしも満足のいくものではなかった。前述した毒物標準品を用い、UPLCによる分離(分離カラムの選択、分離溶媒と分離勾配プログラムの検討)条件、質量分析装置のイオン化条件(スプレー電圧、イオン化モード)等について最適化を試みた。その結果、アコニチンアルカロイドに関しては従来35分を要した分析時間を5分以内に短縮することができ、現在までに血清で検出限界濃度1ng/mLと、セミミクロLC/MSと同等の感度も得られている。今後は更に精製法及び分析条件の最適化を行い、感度の向上を図る。問題点として、パリトキシン等の分子量が2kDaを超えるものに関し、装置の性能限界上分子イオンが検出できない例があり、今後の検討課題である。 また我々は、向精神薬類の一斉分析法の開発も併せて行っている。これらの薬物の迅速分析は法医鑑定実務上非常に重要な位置を占めている。現在までに約50種類の薬物を4分以内という短時間に一斉同定することが可能である。また、検出限界濃度も概ね100pg/mL以下を達成している。また、体液のみならず毛髪や爪からの薬物検出も行い、良好な結果を得ている。
|
Research Products
(4 results)