2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗体ファージライブラリーにて検索・作製した組換え抗体による新規薬物検出法の開発
Project/Area Number |
21790610
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
笹尾 亜子 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (80284751)
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Keywords | 社会医学 / 抗薬物抗体 / 法医中毒学 / 組換え抗体 |
Research Abstract |
近年のわが国における中毒事故の発生状況を見ると、「医薬品」による自殺事例の大幅な増加が認められる。このような状況の中、検屍や法医解剖時における薬物服用のスクリーニングは「トライエージ[○!R]」等の免疫学的手法を応用した市販の検出キットに依存している現状がある。しかし、市販のキットで検出可能な薬物は乱用薬物や一部の向精神薬に限られており、その他多くの薬物は簡易なスクリーニング法を持たない。そこで我々は、抗体作製にかかる時間の短縮が可能で、多種多様な薬物に対する抗体の同時作製が容易なファージライブラリー法を利用した抗薬物抗体の作製と、それを用いた薬物検出法の考案を本研究の目的とした。本年度は抗うつ薬フルボキサミンに対する一本鎖抗体の調製を行い、これを用いたフルボキサミンの検出法を考案する事を計画した。 【抗フルボキサミン一本鎖抗体の調製】 抗うつ薬フルボキサミンに対する抗体産生ハイブリドーマを出発物質に、抗体の抗原認識部位である可変領域(V_L、V_Hドメイン)遺伝子の確定を行った。その後、これらを遺伝子工学的に組換えたプラスミドを調製して大腸菌に導入した。現在、この大腸菌から目的物質である一本鎖抗体タンパク質の回収を行っている。なお、調製した一本鎖抗体タンパク質のフルボキサミンに対する反応性を確認した後、V_H、V_Lドメインの塩基配列に対してランダムな組換えをし、これをファージに組み込んでファージライブラリーを調製する予定である。
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