2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790614
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
金涌 佳雅 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 特別研究生 (80465343)
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Keywords | MR温度画像 / 死後経過時間 / 死体温度 |
Research Abstract |
生物死体の死後冷却に関する空間勾配の把握を目的に、MRIの撮像により、死後の温度分布の可視化を実験的に行った。測定対象はブタ(18.5kg)であり,撮像範囲は頭蓋腔とした。MRI装置としてSigna EXCITE Twinspeed 1.5T、コイルとして送信側にはBody coilを、受信側にはBrain/8-channel phased array headcoilを用いた。撮像条件は、SPGR, TE=8.0ms, TR=100ms, FOV=18×18cm, matrix=256×128とし,麻酔抑制中に1回撮像し,安楽死させた後,1時間毎に,死後8時間まで撮像を実施した。また,ブタ外耳・皮膚・直腸内と室内の温度を連続的に測定した。 これらの撮像画像は、DICOM形式で取得し、以降の計算過程は、MATLABにて処理した。撮像画像の計算処理により,内部温度の勾配と経時的な変化を把握することは成功したが,予想される実測温とのズレが認められていた。これらの要因は,撮像条件上の問題,位相計算上の問題,実験動物の姿勢固定の問題が挙げられるため,今後の実験として,これらの要因を解明した上で,新たな実験系の構築が必要となる。 現在,死因究明を目的に各種画像検査を応用する研究がなされているが,本実験のように臨床用MRI装置にて相応の実験動物の温度画像が成功裏に取得できれば,ヒト死体への応用が可能となり,法医学的には,死後経過時間の推定等極めて応用性が高いものであり,今回は実験結果をより詳細に分析し,適切な撮像プロトコールのための基礎データとして活用ができる。
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