Research Abstract |
平成21・22年度に作成したヒト頭蓋腔内用の多点温度プローブについて,冷点補正が不要な仕様に改良を重ね,操作性を格段に向上させることができた。これを元に,実測実験を重ね,頭蓋内温度勾配を観測することができた。冷点補正がないため,温度精度に若干問題があるが,実務への応用のためには,平成23年度作成の多点温度プローブ程度の操作性は必要と認められることから,本プローブで観測した頭蓋内温度勾配から得られた結果から死後経過時間を推定した場合の誤差について見積もる必要があると考察された。 MR温度画像による死体内温度測定については,以前に実施した撮像実験の解析から,検証を要すべき項目が多く,再実験が必要と判断し,平成21年度と同様の実験を実施した。他のMR画像と同様,死後のMR温度画像については,今後,発展・実務応用が期待できるものの,更なる基盤的・基礎的研究を要するテーマとして,今後も研究が進められるべきと認められた。今後の研究課題については,本実験を通じて得られた知見について学術発表をすすめ,論点を整理して,技術開発につなげたいと考える。 死体温度分布からの死後経過時間推定のプログラムについては,ヒト頭部形状の死後冷却シミュレーションモデルの結果を参照にしつつ,簡便かつ汎用性が保たれるように,Excelにて計算できるように,ファイルを作成した。計算精度などについては,今後詳細に検討を実施する。
|