2011 Fiscal Year Annual Research Report
ラット水浸拘束ストレスモデルにおけるSSRI,SNRIの大腸運動への効果
Project/Area Number |
21790618
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 研 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (40396403)
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Keywords | 水浸拘束負荷 / 大腸内圧 / 消化管運動 / SSRI / SNRI |
Research Abstract |
paroxetine3mg/kg、fluvoxamine30mg/kg、milnacipran30mg/kgを蒸留水2mlに溶解し、胃管ゾンデを用いて強制経口投与し、薬剤投与後60分後に測定を開始した。投与初日、7日目、14日目に測定を行い、また、薬剤を投与しない群においては、蒸留水のみを強制経口投与した。ラットを拘束した状態で、室温にて1時間、大腸内圧を測定した。引き続き、拘束した状態のまま水温20℃の水に剣状突起まで浸し、さらに1時間大腸内圧を測定した。得られた大腸内圧曲線から、15分間のArea undercurve(AUC)を求めて、運動係数(Motihty Index:MI)を算出した。水浸拘束後にMIは有意に増加し、消化管運動の充進を認めた。コントロール群と比較すると3剤ともに投与1日目から有意に腸管運動抑制効果が認められた。コントロール群、薬剤投与群とも投与初日と比較して日数が経つにつれてMIは減少したが、コントロール群と比較して薬剤投与群で有意にMIは抑制された。薬剤間の比較では有意差がなかったが、投与初日でparoxetineのMIが低く、14日目ではmilnacipranが低くなる傾向があった。paroxetineの抗コリン作用による消化管運動抑制作用が投与初日から観察されたと考えられた。SSRI、SNRI内服にてストレス負荷による消化管運動の亢進は抑制され、慢性投与でも効果の持続が確認できた。ストレスによる消化管運動亢進に対して、SSRI,SNRIの有効性が示唆された。
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