2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790619
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅田 成紀 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (20396477)
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Keywords | 長寿遺伝子 / 癌 / スマートエイジング |
Research Abstract |
長寿遺伝子は、老化を制御することにより、癌細胞の出現を抑えると考えられている。一方、長寿遺伝子は、カロリー制限を行うことで個体での発現が増えることが霊長類である、サルまで確認されている。そこで、今回、マウスを用い、カロリー制限を行う一方で、発癌物質(MCA)を投与した。しかしながら、カロリー制限を行った群と自由摂食群で差はなかった。そこで、よりカロリー制限の感受性が高いと考えられる、II型糖尿病モデルマウス(ob/ob,db/dbマウス)で同様の実験をおこなった。その結果、カロリー制限食群では自由摂食群に比較して明らかな発がん頻度が抑制された。一方で、血糖値では有意差は無かった。次に、このII型糖尿病モデルマウスに癌細胞の細胞株(Lewis lung carcinoma,及び、B16F0)を移植し、観察した。カロリー制限群は自由摂食群に比較し有意に腫瘍の増殖が抑制されていた。一方で、血糖値、インスリン分泌量、GLP-1値は変化がなかった。 次に、カロリー制限が高齢マウスで効果があるかどうか、検討をおこなった。しかしながら、高齢マウスにおいては、カロリー制限群、自由摂食群で有意差はなかった。高齢マウスでは抗酸化剤であるレスベラトロールなどによる長寿遺伝子SirTを惹起する必要があると考えられた。
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