2009 Fiscal Year Annual Research Report
Sirtuin遺伝子のアンチエイジング作用による血管障害抑制機構の解明
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21790621
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大田 秀隆 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 医員 (20431869)
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Keywords | Sirt1 / eNOS / 老化抑制作用 |
Research Abstract |
血管保護作用を有する薬剤(脂質低下薬、レズベラトロール、エストロゲンなどの性ホルモン)を細胞に加えた際のSirt1-eNOSによるそのメカニズム関与について検討を行った。PDE3阻害剤(シロスタゾール)、レズベラトロール、脂質低下薬(アトルバスタチン、ピタバスタチン)の血管老化抑制作用を確認した。またこれらの薬剤がeNOSの活性を優位に上昇させることもすでにNOS activation assayにて確認した。ヒト血管内皮細胞で、これら薬剤の処理によりSirt1、eNOSの発現が上昇、活性化し、血管壁細胞老化、障害を抑制しうることを確認した。薬剤による細胞老化に対する影響は、増殖能、形態学的変化、senescence-associated-β galactosidaseの染色およびウェスタンブロットにより検討した。Sirt1またin vivoの系としてはパラコート投与マウスを用いた。パラコート25mg/kg腹腔内投与による大動脈血管内皮細胞老化をこれら薬剤の強制経口投与により抑制できることも確認した。これら検体についてSirt1、eNOS発現について組織免疫学的検討も行った。引き続き、Sirt1ノックアウトマウスで、血管老化が亢進されること、そしてeNOSノックアウトマウスではそれらの影響が軽減されることを来年度検討していく。またヒトの検体についても、これらの薬剤投与によるSirt1の発現の影響を検討していく予定である。
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