2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト早期老化症状を呈するklotho欠損動物を用いた和漢薬の老化に対する研究
Project/Area Number |
21790625
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
鄭 美和 国立医薬品食品衛生研究所, 生薬部, 厚生労働技官 (50464029)
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Keywords | 当帰芍薬散 / klotho / 女性ホルモン / 老化 / 和漢薬 |
Research Abstract |
ヒト老化現象に極めて類似したモデル、α-klotho遺伝子欠損マウス(klothoマウス)の開発によって,老化に伴う様々な表現型の解析が行われてきた.その一つに生殖器機能低下が認められる.そこで婦人科で頻用される和漢薬「当帰芍薬散」の生殖器機能低下に対する抗老化作用について解析することを目的とした.まず,本研究で用いた当帰芍薬散は,当室で作成されたものである.よって品質の再現性を示すために,当帰芍薬散の成分解析をHPLC/ダイオードアレイ/MSを用いて行った.当帰芍薬散は,当帰,芍薬,川〓,沢瀉,白朮,茯苓の6生薬より構成され,昨年度までに当帰芍薬散エキス中に含まれる20個の化合物を特定した.また,当帰芍薬散に含まれるPaeoniflorinの定量を行い,当帰芍薬散エキス1g中に含まれるPaeoniflorinの含有量(g/mL)は,2.51×10^<-2>±1.10×10^<-3>であることが分かった.今年度は,当帰芍薬散エキスに含まれる芍薬由来Albiflorinの定量を行った.Albiflorinは芍薬500gからメタノール,クロロホルムを用いて単離・精製されたもの(4mg)を用いた.Albiflorinはメタノールに溶かし標準溶液を調整し,凍結乾燥させた当帰芍薬散エキスは水に溶かし遠心分離・濾過して調整を行った.検量線は,標準溶液を段階的に希釈し,各濃度3回ずつHPLC/ダイオードアレイ/MSを用いて定量,254.4nmにおけるピーク面積の平均値によって作成した.このような手法で測定した結果,当帰芍薬散エキス1g中に含まれるAlbiflorinの含有量(g/mL)は,2.98×10^<-3>±8.50×10^<-4>であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動,産休・育児休暇による研究の中断のため.
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Strategy for Future Research Activity |
育児休暇後、研究環境の体制作りを進めることが先決である.また,論文投稿の際に研究で用いる薬剤の具体的なプロファイルが求められるようになったため,当所の申請内容にさらに追加実験が必要となった.この状況に対応しながら(研究は進行中)計画を遂行していく予定である.
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