2010 Fiscal Year Annual Research Report
肥満に対する認知行動療法のシステマティックレビュー
Project/Area Number |
21790630
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
冨家 直明 北海道医療大学, 心理科学部, 准教授 (50336286)
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Keywords | 認知行動療法 / 肥満 / システマティックレビュー / ダイエットプログラム / 生活習慣病 / ストレス関連疾患 |
Research Abstract |
肥満治療の心理療法として行動療法・認知行動療法とそれぞれの下位治療技法群の有効性を検証するためにシステマティックレビュー、記述的レビューを実施した。平成22年度は昨年度中に収集したレビューデータに対して、統計的な解析を実施した。取り込まれた研究のバイアスを検討するため、Schulzら(1995)の研究の質の評価基準を活用し、研究を以下の3つのカテゴリに分類した。即ち、A;すべての基準を満たす:バイアスの低度のリスク、B;基準の一部にあうだけ:バイアスの中適度のリスク、C;基準を満たさない:バイアスの高度のリスク、である。この分類をもとに感度分析を実施し、個々の質の基準の影響について調査した。異質性の検討は、フォレストプロットの目視、α=0.1を有意水準としたχ^2検定、およびI^2値により実施した。異質性が認められた場合、サブグループ解析によってその要因を探索した。出版バイアスの存在の有無を検証する方法には、ファンネルプロットの目視や補正、未公開論文数やフェイルセーフ数の推定を実施した。メタアナリシスは、母数効果モデルと変量効果モデルの両方を使用し、データを統合した。上記の結果、行動療法単独群、認知行動療法+ダイエットエクササイズ群、認知行動療法単独群はそれぞれ統制群に比較して肥満成人の減量を促進する点について有効であった。しかし、行動療法と認知行動療法の短期的治療効果は認められなかった。下位技法に関しては複数の技法を組合わせることで治療の効果が高くなる傾向があることと、長期的な減量維持においては、ソーシャルサポート、咀嚼法が有効であることがわかった。本研究の結果は国内外の学会で発表されるとともに外国雑誌に投稿され審査中である。また、食行動関連ストレス疾患と嗜癖関連疾患研究に応用され国内誌と外国誌にそれぞれ掲載された。
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Research Products
(9 results)