2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織由来幹細胞を用いた新しい肝硬変代替医療の開発
Project/Area Number |
21790633
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮崎 照雄 東京医科大学, 医学部, 助教 (60532687)
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Keywords | 肝硬変 / 脂肪組織由来肝細胞 / 骨格筋 |
Research Abstract |
肝硬変時には肝機能の低下に伴い,全身性の蛋白質・エネルギー低栄養状態が生じる。この際,肝機能(蛋白質・エネルギー代謝)を骨格筋が代償するが,その反面,筋蛋白の分解や萎縮が生じ,患者のQOLが低下する。今研究では,肝予備能の改善を目的として,多分化能を有する脂肪由来性幹細胞(ADSC)を骨格筋へ移植し,骨格筋への分化・増殖を期待し,新しい代替治療法の確立を目指している。GFPトランスジェニックマウスからの採取計画から,ヒトADSCの採取が可能となったため,計画を微調整しヌードマウスへの移植を行っている。今年度は下腿骨格筋に移植したヒトADSCの骨格筋への分化度についてのin vivoの検討に加え,より効率のよいADSCから骨格筋への分化条件等を検証する細胞培養実験も併せて行った。培養骨格筋細胞とADSCとの共培養を行ったところ,ADSCの骨格筋への分化(Myosin Heavy Chain蛋白陽性細胞}を確認し,さらに,未分化細胞が筋細胞への分化を増強させる因子として,アミノ酸類似化合物の添加が有効であるとの結果を得た。今後,分化メカニズムの解明とともに,in vivoでの効率の良いADSCの筋細胞への分化方法としても応用して行く予定である。
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