2010 Fiscal Year Annual Research Report
Kaempferia parvifloraの代謝疾患予防効果および作用機序の解明
Project/Area Number |
21790634
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
嶋田 努 武蔵野大学, 薬学研究所, 講師 (90409384)
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Keywords | Kaempferia parviflora / 3T3-L1細胞 / 脂肪細胞分化誘導効果 / ポリメトキシフラボノイド / PPARγ / CEBPβ / GATA-2 |
Research Abstract |
昨年までに「Kaempferia parviflora」の酢酸エチル可溶部(KPE)がin vivo試験において抗肥満効果を示すこと、またその作用機序として脂肪細胞の分化誘導効果が関与することを報告した。KPEの活性成分の探索を行ったところ13種類のポリメトキシフラボノイド(PMF)を同定した。PMFの脂肪細胞分化誘導効果を検討したところ2種類の化合物で強い作用が認められ、さらに分化誘導マーカーであるperoxisome proliferator-activated receptor ; PPARγの発現誘導が認められた。PPARγはリガンドと結合することにより活性化されることから、PMFのPPARγリガンド作用を検討したところ、PMFにはPPARγリガンド作用は認められなかった。前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞への分化過程には様々な因子により制御されていることが報告されている。そこで、脂肪細胞分化初期段階に関与するPPARγ発現調整因子に対するPMFの効果について検討した。PMFはPPARγ発現を正に制御するCCAAT-enhancer-binding proteins ; CEBPβの発現を誘導し、一方PPARγやCEBPβ発現を負に制御するGATA-2の発現を抑制した。以上より、KPEに含まれるPMFの脂肪細胞分化誘導効果は、脂肪細胞の分化誘導初期段階において、分化の正の制御を増加させ、また、負の制御を抑制により調整されていることが示された。また、PMFには脂肪燃焼効果を示す褐色脂肪細胞の分化誘導効果を有すること、またK.parvifloraのブタノールおよび水画分に肝臓での脂肪燃焼効果を有することも示した。以上より、K.parvifloraは多角的な作用メカニズムにより抗肥満効果を示すことが認められ、医薬品ならびに特定保健用食品のシードとして有用であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)