2009 Fiscal Year Annual Research Report
自律増殖型リンパ指向性HCV複製体の作成が免疫病態解析に与えるインパクト
Project/Area Number |
21790642
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 泰輝 Tohoku University, 病院, 医員 (70455822)
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Keywords | HCV / リンパ指向性 / 肝外疾患 / Th17 / 自己免疫疾患 / T細胞 / CD4 |
Research Abstract |
平成21年度 リンパ指向性HCV-StrainであるSB-HCVを用いて各種ヒトプライマリーリンパ球系細胞に感染するか検討を行った。 CD19陽性B細胞、CD14陽性単球系細胞の他CD4陽性T細胞においてHCV複製を示唆するマイナス鎖RNAの検出が可能であった。CD4陽性T細胞の中でもCD45RA陽性CD45RO陰性のナイーブCD4陽性T細胞においてCD3CD28抗体とIL2刺激下で複製が確認された。以前我々はMolt-4培養系にてSTAT-1シグナルの阻害と増殖シグナルの抑制について報告していたため、まずこの確認を行った。分化増殖能を評価する目的でCFSEとCD45RAの2重染色を施行した。リンパ指向性HCVを感染させたT細胞において有意に分化増殖能の低下が確認された。またIFN-γとIL10分泌試験を施行した結果、IFN-γ産生細胞の有意な低下が確認された。責任蛋白を同定する目的でHCVの各種構成蛋白E1,E2,Core,NS2,NS3,NS4B,NS5A,NS5B発現プラスミドを、Nucleofectorを用いてヒトプライマリーCD4陽性T細胞に導入して検討を行った。結果HCV-CoreとNS5A導入T細胞においてIFN-γ産生細胞の有意な低下が確認された。また、IL6とTGF-βを用いたTh17細胞誘導条件下でリンパ指向性HCVを感染させると有意にTh17細胞頻度の増加が確認されたため、この責任蛋白の同定を施行する予定である。またヒトプライマリーナイーブCD4陽性T細胞にて持続的にHCV構成蛋白発現させるためにレンチウイルスベクターに遺伝子を導入した系を作成している。さらに患者DATAを解析することによりHCV感染患者の自己抗体陽性症例とIL6、TGF-β、IL17、IL21の血清濃度について検討を加える予定である。
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Research Products
(5 results)