2009 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞由来TNFSF15はクローン病発症に関与するか?
Project/Area Number |
21790644
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角田 洋一 Tohoku University, 病院, 医員 (50509205)
|
Keywords | クローン病 / TNFSF15 / 感受性遺伝子 |
Research Abstract |
クローン病の発症メカニズムを解明するために、日本人クローン病感受性遺伝子候補であるTNFSF15の機能解析をおこなった結果、この遺伝子多型がT細胞特異的に発現量を変化させるということが示された。一方でTNFSF15は腸管炎症局所での発現が増加しているものの、その主に発現している細胞がT細胞ではなく樹状細胞などの抗原提示細胞であるという報告がある。この結果の乖離により、T細胞由来のTNFSF15がクローン病の腸管局所での炎症にどの程度関与しているかを確認するために、免疫不全マウスにTNFSF15ノックアウト(KO)マウスによる実験や、TNFSF15の発現制御について検討していくことを研究の目的とし、研究を開始した。 TNFSF15ノックアウトマウスを用いた検討を進めているが、現時点ではTNFSF15KOマウスが全例致死であり、作成途中である。 TNFSF15遺伝子多型-360C/TがT細胞特異的に転写に影響を与え、発現量に変化をもたらすことが、TNFSF15の主たる産生細胞である単球系細胞ではこの現象が起こらないことから、このT細胞での転写制御と違うメカニズムが働いていることが予想され検討した。その結果、単球系培養細胞であるU937はLPSによる刺激でTNFSF15の発現が亢進し、それはNFkappaB経路が関与していることが分かった。また、その予測結合部位にはSNPが存在しないことから、遺伝子多型によって単球系細胞でのTNFSF15発現が変化しないことに矛盾せず、TNFSF15遺伝子多型がT細胞特異的に転写制御にかかわるメカニズムの一部が解明された。
|