2009 Fiscal Year Annual Research Report
胆道癌に対する分子標的化遺伝子導入法を用いた遺伝子化学療法の実験的解析
Project/Area Number |
21790648
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 邦明 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50447257)
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Keywords | 消化器内科学 / 胆道学 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
平成21年度の研究進捗状況は下記の通りである。 (1)Z33ファイバー改変型アデノウイルスの作成:Protein AのZ33モチーフをファイバーノブHIループ領域に挿入したカセットコスミドにLacZまたはUPRT遺伝子を挿入してアデノウイルスを作製し精製した。 (2)各種肝胆道癌細胞における各種分子標的抗体・腫瘍特異抗体のスクリーニング:各種胆道癌細胞株のEGFR, EpCAM, erbB2, CD24, CD56などの発現をFACSで検索したところ,胆道癌細胞株でEGFRおよびEpCAMを発現しているものが多いことが判明した。 (3)標的抗体結合Z33ファイバー改変型アデノウイルスによる遺伝子導入効率の検討(βガラクトシダーゼアッセイ):LacZ搭載Z33ファイバー改変型アデノウイルスに複数種類のEGFR, EpCAM抗体を結合させ,各種肝胆道癌株,Hela,正常細胞株などに感染させβガラクトシダーゼアッセイを行ったところ,FACSでの発現同様にEGFRやEpCAMを発現している胆道癌細胞株において,CARの発現に関係なく容量依存的に遺伝子導入効率が高い結果となった。一方で,HeLaや正常細胞株での遺伝子導入効率は低かった。 (4)標的抗体結合Z33ファイバー改変型アデノウイルスによる遺伝子導入効率の検討(UPRT発現):UPRT搭載Z33ファイバー改変型アデノウイルスにEGFR, EpCAM抗体を結合させ,EGFRおよびEpCAM発現胆道癌細胞株に感染させた。72時間後に細胞を回収しUPRTの発現をウエスタンブロットアッセイで確認した。抗体を結合させずに感染させた細胞ではUPRTの発現を見なかった。 以上の結果より,胆道癌細胞に対する分子標的化遺伝子導入が可能となり,今後,遺伝子化学療法としての効果・有用性を検証していく予定である。
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