2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790655
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
堀口 和秀 福井大学, 医学部, 講師 (20377451)
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Keywords | カハール介在細胞(ICC) / c-KIT / セルソーター |
Research Abstract |
マウス胎生後期のカハール介在細胞(ICC)発生に関わる遺伝子の同定のため、昨年度はICC特異マーカーであるc-KITを標的とした磁気ビーズ標識抗体による細胞分取を行った。同法により胎生期における当該細胞を単離し、microarray法による検索を行った結果、いくつかの候補遺伝子を得ることができた。しかしながら消化管では、ICCの他にもマスト細胞や胎生期における腸上皮細胞がc-KITを発現することが想定されるため、本年度はより特異的にICCを分取するためにセルソーターによるICC分取法の確立を目指して実験を行った。マウス胎生期小腸を酵素処理し細胞分散した後に、蛍光標識c-KIT抗体およびCD45抗体(マスト細胞特異マーカー)で染色し、セルソーターによりc-KIT^+CD45^-細胞としてICCの分取を試みた。その結果、E15では全細胞数3×10^6個に対しc-KIT^+CD45^+細胞は4.5×10^2個、c-KIT^+CD45^-細胞は2.5×10^3個、E16では全細胞数1×10^7個に対しc-KIT^+CD45^+細胞は1.3×10^3個、c-KIT^+CD45^-細胞は1×10^4個、E17では全細胞数4×10^7個に対しc-KIT^+CD45^+細胞は4.0×10^4個、c-KIT^+CD45^-細胞は1.4×10^4個、E18では全細胞数5×10^7個に対しc-KIT^+CD45^+細胞は2.5×10^4個、c-KIT^+CD45^-細胞は1.2×10^4個であった。c-KIT^+CD45^-細胞に関するこの結果は、胎生期におけるc-KIT免疫染色の結果ともほぼ一致するものであった。さらに分取する細胞の精度を上げるため、上皮特異的マーカーであるE-cadherin抗体を加えた3種類の蛍光抗体により染色を行い、c-KIT^+CD45^-E-cadherin^-細胞の分取を行い、良好な結果が得られた。現在までに、同方法を用いて胎生15日の胎仔62匹の小腸からの1.9×10^5個のc-KIT^+CD45^-E-cadherin^-細胞を分取した。同方法によって得た細胞からRNA抽出し検定したところ、以後の解析に進むのに十分な質のRNAが得られていることが確認された。
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