2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790659
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 佳秀 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (90378662)
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Keywords | 原発性硬化性胆管炎 / 肝移植 / 再発 |
Research Abstract |
1. 原発性硬化性胆管炎(PSC)の肝移植後症例の臨床像の解析 これまで京都大学にて施行されたPSCに対する肝移植症例30例の臨床像についての詳細な解析を行った。まず、グラフト生存と再発の現状について解析し、その後グラフト生存とPSC再発に関与する危険因子の解析を行った。その結果、単変量解析(logrank test)と多変量解析(Cox regression analysis)の両方で有意差をもって同定されたPSC再発のリスクファクターは、血縁ドナーであること、周術期のサイトメガロウイルス(CMV)感染症、の2つであった。グラフトロスに関与する因子の解析から、年齢が低いことが唯一のリスクファクターとして同定された。 2. 原発性硬化性胆管炎(PSC)の肝組織における遺伝子発現の網羅的解析 これまで京都大学にて施行されたPSCに対する肝移植症例30例の中で、典型的なPSCの臨床像を示し、若年発症かつ潰瘍性大腸炎合併例10例について、摘出肝組織(凍結標本)よりRNAを抽出した。さらにコントロールとして、正常肝(ドナー肝)、ならびに同様に胆汁うっ滞性肝硬変を呈する原発性胆汁性肝硬変(PBC)の肝移植症例の摘出肝、それぞれ10例ずつからRNAを抽出した。抽出したPSC、PBC、正常肝の3種のRNAを使用し、肝臓内でのmRNAの発現状態の違いについて、マイクロアレイ法を用いて網羅的に解析を行った。 その結果より、正常肝やPBCの肝組織にて発現を認めず、PSC特異的に発現している遺伝子の探索を行い、PSC特異的に発現している可能性のある遺伝子候補を10個同定した。現在これらの遺伝子について、複数例のPSC症例ならびにコントロールの肝組織にて発現の確認を行っている。
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[Journal Article] Risk factors for recurrence of primary sclerosing cholangitis after living donor liver transplantation : a single center experience.2009
Author(s)
Egawa H, Taira K, Teramukai S, Haga H, Ueda Y, Yonezawa A, Masuda S, Tsuji H, Ashihara E, Takada Y, Uemoto S
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Journal Title
Dig Dis Sci. 54
Pages: 1347-1354
Peer Reviewed
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