2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790677
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
林 毅 Sapporo Medical University, 医学部, 助教 (60381258)
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Keywords | 医療・福祉 / 癌 |
Research Abstract |
【研究の目的】申請者らはこれまで、GST-πを標的として、大腸ポリープー大腸がんsequenceのprecursorであるACFの抑制を介した大腸がん予防の可能性を追求し検討を行ってきた。その結果、GST-π阻害剤であるsulindacとplacebo群を対照としたpreclinical studyで大腸がん予防に成功しその成果を報告した(Takayama T., et al. New Eng J Med)。そこで本研究課題では、その大腸がん化学予防の実績を踏まえて、予後不良な膵管癌のGST-πを標的とした化学予防の可能性を検証することを目的とした。 【平成21年度の研究実績】平成21年度では、動物モデルでのGST-π抑制剤投与による膵発癌抑制の効果を検討すると共に、臨床研究の実施を計画した。まず、動物実験モデルでは、研究計画を立案した時点で、GST-πの特異的阻害剤であるC16C2を用いて検討する予定であったが、諸般の事情で入手できなくなったため、同等の効果が期待される他薬剤(Sulindacに代表されるNSIADs)を抑制剤として用いる実験計画を立案した。実施に移行する前に、Preliminaryながら事前に作製した膵管がん動物モデルの膵病変より詳細かっ多数の病変を用いて各種免疫染色(p53, Smad, rasなど)を行い、またパラフィン包埋組織より抽出したDNAを用いて遺伝子解析なども行っている。臨床試験に関しては、札幌医科大学臨床試験審査委員会の承認を得た上で、ヒトIPMTに対するsulindac投与の臨床試験を平成21-22年度の計画通り準備しており、当初の予定通り症例の登録を開始している。さらに現在、Sulindacおよびplaceboのカプセル充填を開始しており、平成22年7月から、臨床試験を開始できる見込みである。
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