2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790690
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
竹田津 英稔 Kurume University, 医学部, 助教 (80352144)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / TL1A / death receptor 3 |
Research Abstract |
研究の目的は3つあり、1つ目は急性炎症におけるTL1AおよびそのレセプターであるDR3の役割の検討、2つ目はTh2優位の慢性炎症モデルにおけるTL1Aの役割の検討、3つ目は炎症性腸疾患患者におけるTL1A-DR3の発現の検討である。 1. 腸管におけるTL1Aの作用を検討するため、腸管上皮細胞株や他の上皮細胞株(HT29,Caco-2)を使用しFlow cytometoryもしくはReal time-PCRにてDR3発現の確認を行った。IL-1やIL-6の炎症性サイトカインによる刺激にてDR3の発現が増加することが分かった。 2. DSS急性腸炎モデルを作製し、腸の炎症によるTL1Aの発現の検討を行った。具体的には急性期の腸管をとりだし、腸管内の単核球を分離した。これらの細胞からのTL1Aの発現をreal-time PCRにて評価を行ったところTL1Aの発現の増加を認めた。 3. DSS急性腸炎モデルにおける腸管上皮細胞の分離を行い、腸管上皮におけるDR3の発現の検討を行ったところ、正常腸管およびDSS腸炎非炎症部位と比較し、炎症部に強いDR3の発現を認めた。 4. SAMP1/Yitマウスはクローン病モデルマウスとして知られており、Th2も炎症に重要視されている。このマウスから単核球を分離し、TL1AやIL-12,IL-23,IL-4との共培養にて刺激をおこなったところ、Th1,Th17と同様にIL-4,I1-13の産生増加を認め、Th2も活性化することが明らかとなった。特に反応は炎症部位に強く認められた。 5. クローン病患者の腸管上皮のdeath receptor3の発現をReal-time PCRで確認を行ったところ、正常および潰瘍性大腸炎の腸管上皮と比較し、著明に増加していることが明らかとなった。特に炎症部位に強く発現が認められた。
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