2010 Fiscal Year Annual Research Report
治療効果の高い血管内皮前駆細胞を用いた難治性血管障害に対する治療法の研究開発
Project/Area Number |
21790702
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長野 真澄 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (30436282)
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / 糖尿病 / 虚血性疾患 / Aldehyde dehydrogenase活性 |
Research Abstract |
【目的】 糖尿病を合併した虚血性疾患の成人患者の末梢血・骨髄・血管内皮より血管内皮前駆細胞(EPC)を単離し,ALDH活性によりAlde-Highおよび-Low EPCの分離を試み,分離したAlde-Highおよび-Low EPCにおいて細胞増殖能・遊走能・虚血改善能を検討する. 【研究成果】 平成22年度は60代および70代の糖尿病を合併した虚血性疾患患者末梢血(G-CSF投与)3例より,EPCの単離およびALDH活性による分離を行い,患者由来Alde-Highおよび-Low EPCを単離培養することに成功した.有茎皮弁虚血モデルマウスにおいて,糖尿病を合併した虚血性疾患の成人患者由来Alde-Low EPCはAlde-High EPCと比較して優れた創傷治癒効果を示した.Alde-Low EPCで発現の高いCXCR4についてshRNA法を用いて発現を抑制したEPCを作成し同様の有茎皮弁モデルマウスに用よしたところ,EPCにおけるCXCR4の発現抑制により創傷治癒効果の抑制が観察された.逆に,Alde-High EPCにCXCR4を強制発現させたEPCでは,不完全ながら創傷治癒効果の改善がみられた.以上のことより,EPCの創傷治癒効果について,CXCR4が重要であることが示唆された.
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