2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋特異的発現遺伝子MURCの心肥大・心不全における役割についての検討
Project/Area Number |
21790703
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小形 岳寛 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部附属病院, 専攻医 (10402877)
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Keywords | 筋特異的遺伝子 / 心肥大 / 心不全 |
Research Abstract |
申請者は2008年に筋特異的発現遺伝子(MURCと命名)を発見し、現在までにその局所発現パターンや長期の心臓特異的過剰発現モデルでの線維化を伴う心機能低下とその機序について報告している。MURCの過剰発現は心肥大を経由して心不全に至る特徴を持っており、MURCは心筋細胞において肥大の促進などに関わっている可能性が高いと考えている。本研究では、以下の研究計画により、MURC遺伝子の心筋細胞での機能をさらに詳細に明らかにすることを目的としている。 1). ラット培養心筋細胞を用いた心筋細胞肥大への関与とその分子機序の検討 2). 心肥大・心不全の発症過程における遺伝子発現様式の検討 H21年度では、Dahl saltラットに6週齢から0.3%または8.0%のNaCl水を負荷し、圧負肥大心のモデルを作成し、経時的に心臓から抽出したmRNA、蛋白質を用い、心肥大から心不全に至る過程においてMURC遺伝子の発現を検討したところ、心肥大・心不全期においてMURC発現の増加が認められた。現在、組み換えアデノウイルスによるMURC過剰発現とノックダウンを培養心筋細胞に対して行っており、MURCを過剰発現させることにより心筋細胞の肥大とERK1/2の活性化が起こることを確認している。また、MEK阻害薬によるERK1/2の抑制により心筋細胞肥大も抑制された。今後、MURCが心肥大・心不全にどのように関わっているのか、心臓特異的MURC過剰発現マウスによりさらに解析する予定である。
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