2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790704
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
網谷 英介 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80529090)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 脂質 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究では血管内皮細胞内外に生じるVESICLE構造の発生、動態、分子との関わり、臨床的な病態との関わりについての検討をすすめるものである。その検討には細胞内外でのVESICLEの産生や動態の観察、VESICLEの分離及び解析、さらにはVESICLE負荷に対する細胞や生体の影響の検討が含まれる。血管内皮細胞や血球細胞より放出される1μm程度のvesicle構造はMicroparticle(MP)と呼ばれ、昨今の研究より細胞細胞間でmiRNAなどの核酸物質、脂質、蛋白などを運搬する役割が報告され、さまざまな局面で重要なはたらきをなしている。まず我々は培養内皮細胞を用いた検討より、MPがlysosome関連蛋白と密接な関連があることを基礎的検討にて明らかにした。このことはMPが内皮細胞のlysosomeの機能をより反映した物質であり、内皮細胞の機能、状態をより正確に反映する物質であることを裏付けるものである。血管内皮細胞にコレステロールを負荷するとlysosome関連蛋白の一つであるLysosome associated membrane protein-1(LAMP-1)やCD63でラベルされるvesicle構造が細胞内に出現し、この場はコレステロールrichな形質膜であるraftとの関係も深いdomainとなり、活性酸素の産生が行われたり、内皮機能の指標であるendothelial NO synthaseの機能障害が生じるなど内皮障害の重要な拠点である性質をもっていた。さらに内皮細胞から放出されるMPの中にもLAMP-1陽性のものやCD63陽性のvesicleがあることを確認し、これらから内皮細胞内のvesicleは内皮障害の拠点であることが示唆された。
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