2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規Akt基質Girdinの血管恒常性制御機構の解明
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21790715
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 健吾 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80456673)
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Keywords | Girdin / 細胞骨格 |
Research Abstract |
・GirdinS1416Aノックインマウスを用いた大腿動脈擦過モデルにおける新生内膜形成の評価 Aktによってリン酸化されるGirdinのセリン1416をアラニンに置換したGirdinS1416Aノックインマウスを作成して、大腿動脈にワイヤー擦過を行い、新生内膜の形成を評価した。野生型に比べてGirdinS1416Aノックインマウスでは新生内膜の形成が有意に抑制されていた。また、新生内膜内での細胞増殖が有意に抑制されていることが判明した。GirdinS1416Aノックインマウスから単離した血管平滑筋細胞では細胞増殖が低下していた。このメカニズムとして、GirdinS1416A変異体を発現する平滑筋細胞では、多核を呈する細胞が有意に増加しており、細胞分裂の障害が関与していると考えられた。 ・組織特異的Girdinノックアウトマウスの作成と解析 血管内皮特異的・血管平滑筋特異的Girdinノックアウトマウスを作製した。これらのマウスは通常成育条件では正常に発育し、肉眼的異常を認めなかった。今後、これらのマウスでざまざまな疾患モデルを作成して、Girdinが血管系の疾病で果たす機能を解析する予定である。 ・Girdinが血管透過性調節に果たす機能の解析 VEGF刺激で誘発される血管透過性亢進時にGirdinはsmall GTPaseの一つであるR-Ras、VE-cadherinと結合し、VE-cadherinのendocytosis、細胞内でのTraffickingを調節することが明らかとなった。今後は疾患モデルでのこの機能の意義を解析していく予定である。
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