2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規Akt基質Girdinの血管恒常性制御機構の解明
Project/Area Number |
21790715
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 健吾 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80456673)
|
Keywords | Girdin |
Research Abstract |
平成23年度は血管内皮細胞でGirdinが、血管透過性調節に関与するメカニズムを解析した。Girdinをノックダウンした血管内皮細胞では、VEGF刺激による血管透過性の亢進が抑制されていた。これに伴い、Girdinノックアウトでは、VEGF刺激後の血管内皮細胞間のadherens junctionの乖離が抑制されていた。さらに検討を行ったところ、Girdinをノックアウトすると、VEGF刺激で生じるVE-cadherinのエンドサイトーシスが著名に減少していた。また、GirdinはVE-cadherin、clathrinと複合体を形成していることも確認された。これらの結果から、GirdinはVE-cadherinにendocytosisに際して、クラスリン・アダプターとして作用している可能性が示唆された。 さらに、我々は血管の安定性を制御していると報告されている低分子量GタンパクであるR-RasとGirdinによって制御されるVE-cadherinのendocytosisの関連を検討した。GirdinはVEGFの下流で活性化されたR-Rasと複合体を形成し、R-RasとGirdinの複合体形成がendocytosis後のVE-cadherinのリサイクリングと分解のバランスを制御していることが判明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織特異的Girdinノックアウトマウスの作成に予定よりも時間がかかったため。また、同時に解析を行っている、GirdinのAktによるリン酸化部位であるセリン1416をアラニンに置換した変異体をノックインしたGirdinS1416Aマウスに関して、予定よりも出生数が少なく、実験に必要な個体数を得るのに時間がかかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
組織特異的Girdinノックアウトマウスで腫瘍血管、下肢虚血モデルなどを作成して、血管新生に及ぼす影響を検討する。また、GirdinS1416Aノックアウトマウスに対して、アンギオテンシンII持続注入、心筋梗塞モデル作成を行い、個体の生存、心機能に与える影響の評価を行う。また、組織学的所見の評価も行う。
|