2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規Akt基質Girdinの血管恒常性制御機構の解明
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21790715
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 健吾 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80456673)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Girdin |
Research Abstract |
昨年度までに作成された血管内皮特異的Girdinノックアウトマウスは、血管新生に大きな影響がなかった。 しかし、Aktによりリン酸化されるセリン残基であるセリン1416をアラニンに置換した変異体をノックインしたGirdinS1416A変異体導入マウスで心筋梗塞後の線維化巣の形成不良が認めらた。また、同変異体導入マウスは、対照である野生型マウスと比べて、心筋梗塞作成後1週間以内に、心破裂による死亡数が有意に増加していた。組織学的な検討では、Girdinの発現と、セリン1416のリン酸化は、心筋梗塞領域と健常部位の境界領域に集積している細胞に認められた。これらのリン酸化Girdin陽性細胞は、CD45、CD31での免疫染色は陰性であったが、αSMAが陽性であった。これらのことから、心筋梗塞モデルでのGirdinのリン酸化は、主に活性化されたいわゆるmyofibroblastを中心に認められると考えられた。これと一致して、野生型マウスではアンギオテンシンIIの皮下持続注入後の心臓で、血管周囲の線維化領域において、Girdinの発現の増加、セリン1416リン酸化の亢進が確認された。 また、培養ヒト心室線維芽細胞でGirdinをノックダウンすると、細胞増殖、細胞運動が優位に抑制された。細胞の増殖、運動能の低下は、GirdinS1416A変異体導入マウスの心臓から分離した線維芽細胞でも同様に認められた。 これらのことから、Girdinは心臓では、線維芽細胞に発現しており心筋梗塞後や高血圧などの心筋線維化過程において重要な役割を果たしていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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