2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES・iPS細胞を用いた血管分化・老化・再生機構の解明と血管再生療法への応用
Project/Area Number |
21790721
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽根 正勝 京都大学, 医学研究科, 助教 (40437207)
|
Keywords | 分子血管病怠学 / 内分泌学 / 循環器病学 / iPS細胞 / 抗加齢医学 |
Research Abstract |
1)ヒトES/iPS細胞の血管分化誘導法の確立と改良 他施設との共同研究において、ヒトES/iPS細胞の血管分化誘導の初期にGSK-3β阻害薬を添加し中胚葉系への分化を促進し、その後無血清培地でVEGFなどの増殖因子添加下で培養することにより、フィーダー細胞や血清を用いず、より血管内皮細胞への分化効率の高いヒトES/iPS細胞血管分化誘導法を開発し、報告した。 2)ヒトES/iPS由来血管内皮細胞におけるSirt1の役割の検討 平成21年度の研究において、ヒトES/iPS由来血管内皮細胞と成人大動脈内皮細胞との遺伝子発現の比較解析を行い、ヒトES/iPS由来血管内皮細胞は成人大動脈内皮細胞にくらべ老化関連遺伝子Srit1の発現が有意に高いことを見出した。また、細胞の機能面でも、ヒトES由来血管内皮細胞およびヒトiPS由来血管内皮細胞は、いずれも成人大動脈内皮細胞に比べ細胞増殖能、in vitroでの内皮欠損回復能、マトリゲルでのネットワーク形成能が有意に高かった。 そこで、ヒトES/iPS由来血管内皮細胞、成人大動脈内皮細胞の両者でsiRNAを用いてSirt1をノックダウンしたところ、両者の増殖能、内皮欠損回復能、ネットワーク形成能の差異は消失した。Sirt1阻害薬であるSirtinolを用いた実験でも同様の結果が得られた。以上の結果より、Sirt1はヒトES/iPS細胞由来の発生初期段階の血管内皮細胞において機能面で重要な役割を果たしていることが示唆され、報告した。
|
Research Products
(4 results)